4つの神聖なる池の伝説:サッ サクシット タンシー
- somutamu

- 9月25日
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スパンブリーにある「サッ サクシット タンシー」には4つの神聖なる池の伝説があります。

地図
タイ王室の聖水の儀式
タイ王室では新しい国王の即位に際し各県から聖水が献上する儀式があります。
神聖なる池の伝説がある「サッ サクシット タンシー」の水は古くはアユタヤ王国から聖水の儀式として献上しており、2019年のラーマ10世の即位の儀式にも聖水が献上しました。

4つの神聖なる池の伝説
昔々、この地を治める領主にはケオ、カー、ヤムナー、ケサという四人の娘がいました。
3人の娘は人間の婿と娶りましたが、末娘のケサは白猿の神と結婚しました。

そんなある日、領主は自分が老いたことに気がつきました。
そこで7日以内に池を掘り、一番大きな池を掘った娘の夫を新しい領主にする旨を娘たちに告げました。

この話を聞いた3人の娘たちは夫と共に池を掘り始めましたが、末娘だけは一人で池を掘り始めました。
しかし深夜になると上の3人の娘とその夫は末娘が掘った池を埋めるなどの邪魔していました。

こうして明日は約束の日となる前夜に末娘のケサは池が掘り進まないことを夫の白猿の神に助けを求めます。
これを聞いた白猿の神は大勢の猿の部下を率い3人の上の娘より大きな池を掘り、池の真ん中に小さな島をつくりケットの木(マニルカラ・ヘキサンドラ)を植えました。

こうして約束の日が来ましたが、その日の早朝に領主は完成した池を見ないまま亡くなってしまいます。
領主の遺言に従い重臣達が掘られた池の大きさを調べた結果、ケサの池が一番大きかったことからケサの夫が新しい領主になることが決まりました。

しかし、この決定に憤慨した上の3人の娘とその夫は、領主のシンボルである聖剣を盗んで逃げました。
それを見た白猿の神は彼等を追いかけ、ケットの木のある池で追いつきました。

白猿の神に追いつかれた彼等は持っていた聖剣を池に投げ込みました。
その聖剣はケットの木に触れたことで島もろとも池に沈んでしまいました。

それ以来、この池には聖剣が沈んでいることから神聖なる池となり、その水は王の即位のための儀式に使われるようになりました。




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