古典クンチャーン・クンペーンその4:ワット ケー
- somutamu

- 9月17日
- 読了時間: 6分
古典クンチャーン・クンペーンにはスパンブリーの登場人物が書かれていることから、それに関連した場所があり「ワット ケー」はクンペーンが魔術も修行をしたお寺とされていることから多くの観光客が訪れています。

地図
拝観時間:朝7時から夜6時まで
(時間変更があります)
境内の様子
「ワットケー」の歴史は古くアユタヤ王国8代サームプラヤー(在位1424年ー1448年)の治世に建てられたとされています。

境内には大きなハチの巣があったかと思うと

こんなに大きなアリがいます。

このように霧がクンペーンが魔術を修行を行っていた雰囲気を醸し出しており

このような滝も魔術を修行を行う雰囲気があり

滝にある入口を入ると

このような仏像が祀られており

魔術でこんなヘビを呼び出していたのかもしれません。

また、金箔を貼られ過ぎてちょっと息苦しそうなクンペーンが祀られています。

クンチャーン・クンペーン その4
魔術に捕らわれた兄を救え出せ!!!
母ケオキリヤーの勧めでスコータイでの厳しい修行に打ち込むチュンポーン、そして数年が過ぎたある日、母からの便りが届きました。
その便りには父クンペーンと異母兄プライガムが言い争いの末に義絶し、未だにプライガムの魔術が解けていないことが綴られていました。

そこで兄を魔術から解き放つべく修行を終わらせたチュンポーンは祖父母への挨拶をします。

兄を救い出すべく都アユタヤへ向かうチュンポーンの話を聞いた祖父母はスコータイの没落貴族ありながらも家にあった名刀をチュンポーンに授けます。
そして祖父母の家を辞したチュンポーンは墓地へ行き、鍛えられた魔術により幽霊の兵士を作り上げ都アユタヤへ向かうのでした。

こうしてた父クンペーンと合流したチュンポーンの軍勢が都アユタヤへ進む様子が「クンペーン反乱!!!」と王宮に伝えられます。
これを聞いたアユタヤ国王はプライガムに反乱を鎮圧すべく出陣を命じます。
こうしてプライガムの軍勢とチュンポーンの軍勢が対峙しますが、兄弟での骨肉の争いを避けるべく
チュンポーン:
「よいか兵士ども、このたびの戦はアユタヤの兵士を脅かすだけでよい、アユタヤの兵士に怪我どころか一つの傷もつけてはならんぞ!!!」
こうして戦が始まりますが、チュンポーンの幽霊の兵士に翻弄されたアユタヤの兵士は這う這うの体で都アユタヤへ撤退をします。

一方、王宮では負け戦とはいえ兵士が誰一人、怪我どころか傷もおっていない様子を見たアユタヤ国王は訝しがります。
そこへ魔術を使いアユタヤ国王の前にかしこまったクンペーン父子が現れ
クンペーン:
「陛下、この度の挙兵は決して反乱を企てたものではございません、実は数年前からプライガムにかかっている呪いの魔術を解くためです」
実はアユタヤ国王も数年前からプライガムの行いに違和感を感じていたことから、クンペーン父子に下手人の捕縛を命じます。
怪僧テオとソイファー
こうして都アユタヤでプライガムに魔術をかけた下手人探しが始まり、クンペーン父子は魔術を使う怪しい僧侶がいることを聞きつけます。
そこでクンペーン父子はインドネシア人船員に変装し、テオに手土産として幻覚作用のあるビンロウを差し上げ、
クンペーン:
「航海中に妻の浮気が心配でたまらぬ、、、」
とテオに相談をします。

テオ:
「そんなことぐらい、ワシの魔術をもってすれば簡単なこと!!!」
そしてビンロウにすっかり酔ったテオはプライガムについて自慢げに話します。
そのすべてを聞き終えた瞬間にクンペーン父子は手下と共にテオに飛びかかり牢獄へと放り込んでしまいます。

こうして魔術をかけていた人形を焼き捨てられプランガムは魔術から解き放たれます。
一方、牢獄でビンロウの酔いからさめたテオ、
テオ:
「け、こんなことぐらいたわいもない!!!」
とワニに変身し牢獄を抜け出します。

同じころ、すべてが明白となり裁きの場で引き出されたソイファーですが、この期に及んでもテオとの関係を認めないどころか
ソイファー:
「私は何も悪くありません、すべての原因はシマラーとチュンポーンが不倫をしていたことです!!!」

これを聞いたアユタヤ国王は失笑し
アユタヤ国王:
「ではシマラーとソイファーの両名に火渡りの儀式を行う、もしその言葉に噓偽りがなければバラモンの神のご加護があろう」
こうして火渡りの儀式が行われましたが、シマラーが火の中へ入ると同時にバラモンの神に守られ何事もなく渡り終えることができました。
一方のソイファーですが、バラモンの神のご加護もなく火の中に足を踏み入れた瞬間に大やけどを負い

アユタヤ国王:
「愚か者!!!本来であれば即刻処刑をするとこだが、プランガムの子を宿しているゆえチェンマイへ放逐を命ずる」
こうしてソイファーは船にてチェンマイへ送り返されますが、ソイファーが乗った船の近くで大きなワニに化けたテオが浮かび上がります。
最後の戦い
こうしてチェンマイへ戻ったソイファーとテオですが
テオ:
「チュンポーンめ小癪な、ビンロウで酔っていなければあんな小僧なんか一捻りだ!!!」
とテオはチュンポーンへ復讐するべくチェンマイ王にも告げずに勝手に出奔しまいます。
こうしてテオが化けた巨大ワニが都アユタヤで暴れ回ったことで人々は恐怖に陥り、対策を考えるアユタヤ国王へプライガムが進み出て
プライガム:
「陛下、この巨大ワニは普通のワニではなく妖怪と思われます、魔術に長けたチュンポーンへ退治を願います」
こうして巨大妖怪ワニを退治すべくチュンポーンは河に浮かべた筏の上に立ちますが、それを見た巨大ワニに化けたテオがチュンポーンを水の中に引きずり込もうと筏を襲います。

しかし、テオの攻撃を間一髪でかわしたチュンポーンは巨大ワニの首元に槍を突き立てます。
このチュンポーンの攻撃に
テオ;
「これはいかぬ、、、」
と子魚に化けて逃走をしますが、それを見たチュンポーンは
チュンポーン:
「逃がすか!!!」
と水鳥に化け、子魚になったテオを追いかけます
これを見たテオは
テオ:
「小癪な、小僧!!!」
とテオは大きな象に化けますが、これを見たチュンポーンは
チュンポーン:
「望むところよ!!!」
と虎に化け、激しい闘争の末にテオはチュンポーンに捕らえられます。

このころ、チェンマイ王からアユタヤ国王への書状が届き
「このたび僧侶テオが私の許可のなく勝手に出奔したゆえ、そちらで捕まえた場合にはどう処罰しようがご自由に」
とのことでテオは処刑されました。

こうしてチェンマイ王の謀反の疑いも晴れ、アユタヤ王国には平和で穏やかな日々が訪れるのでした。
終わり




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