古典クンチャーン・クンペーンその2:バーンクンチャーン
- somutamu
- 5 日前
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タイの古典「クンチャーン・クンペーン」は16世紀を舞台にスパンブリーの主人公達の物語で「バーンクンチャーン」はその当時の家が再現されています。

地図
開館時間:朝8時から夕方5時まで
(時間変更があります
建物の中の様子
家の中にはこの物語当時の生活用品が展示されており

物語の登場人物や

登場人物の一人、クンチャーンの記念写真はいかがでしょうか。

クンチャーン・クンペーン その2
プライガムの誕生
恋敵クンペーンが監獄に入れられたことを聞いたクンチャーンはクンペーンの妻であるワントーンを強引に連れ去り自分の妻として館に住まわせました。
しかし、クンチャーンは連れ去ったワントーンがクンペーンの子供を身籠っているのを知らず、やがてクンペーンの息子のプライガムが生まれました。

クンチャーンはプランガムを自分の息子と思い大事に育てますが、成長するにしたがい自分に似ていないことに気がつきます。
そしてプライガムが9歳になったとき
クンチャーン:
「なんてこった、プライガムはクンペーンの息子ではないか~」
と怒り、プライガムを殺害すべく狩りに行くと森に誘い背後からプライガムの脳天をめがけて太い棍棒を振り下ろし、さらに倒れたプライガムへ
クンチャーン:
「これがとどめだ!!!」
と渾身の力を込めて棍棒を振り下ろします
が、
クンペーンの守護霊クーマートーンがこの一撃を受け止めプライガムは致命傷を免れます。
一方、クンチャーンはプライガムが死んだと思いその場を去ります。
その夜、いつまでも家に帰ってこないプライガムに心配でおろおろするワントーンのもとにクーマートーンが走り寄り森での一部始終を伝えます。
そしてクーマートーンの案内で急ぎ森に行き、傷だらけで倒れているプライガムを見たワントーンは泣きながら我が子を抱きしめ、
ワントーン:
「息子よ、私のせいでこんな痛い目に合わせてすまぬ、とはいえこのまま家に連れて帰ってもクンペーンに殺されてしまう、一緒に住むことができなくて悲しいがお父様の実家のカンチャナブリに逃げなさい」
とプライガムはクーマートーンに守られながらカンチャナブリに向かいました。

こうしてプライガムはカンチャナブリで祖母のもとで生活をしながら近くのお寺で学業を学び始めました。
このプライガム、学業は優秀で教えた住職はその賢さに感嘆し祖母に都アユタヤにてさらに高い学業を積むことを勧めます。
住職の勧めもあり祖母は亡き夫の同僚へ書状を書き都アユタヤへプライガムを送り出します。
その書状を受け取った元同僚はプライガムの賢さを認め、王宮でのしきたりを学ばすために自分の従者として共に王宮の務めに同行させました。

チェンマイ国王
このころタイ北部チェンマイ王国に好色で多くの側室をもつチェンマイ王がおり、同じくタイ北部の小国ランチャーンの国王に美しい姫スロイトーンがいると聞きつけ、自分の側室へと書状で要求します。
好色で評判の悪いチェンマイ王からの要求に驚いたランチャーン国王、とはいえチェンマイ王国とは比べ小国ゆえ攻められたらひとたまりもなく滅ぼされてしまいます。

考えた末、ランチャーン王は大国で人望もあるアユタヤ国王へ娘を嫁すこと決め、都アユタヤの書状を持った早馬を送りました。
ランチャーン国王からの書状を受け取ったアユタヤ国王はすぐにスロイトーン妃を迎えべく300名のランチャーン王国に送りました。
しかし、ランチャーン国王がアユタヤ王国へ書状を送ったことを聞いたチェンマイ王は魔術師を使いアユタヤへの帰路のスロイトーン妃の一行300名を捕えます。

しかし、アユタヤ王国への側室を奪っては戦は避けられず、とはいえ兵力差では圧倒的にアユタヤ王国が有利、、、
魔術師:
「王様、こうなればアユタヤ軍をおびき出し、我々の有利な地形で殲滅してしまうのが得策!!!」
魔術師の献策を聞いたチェンマイ王はアユタヤ国王へ
「側室はいただいた!!!、ほしいのであれば奪い返しにてみろ!!!」
と侮辱する書状を送りつけました。

プライガムの出陣
チェンマイ王から側室を奪い取られ侮辱されたアユタヤ国王は怒り、すぐに出陣を命じますが、
側近:
「陛下、これはチェンマイ軍の策略であります、かくなる上は少数精鋭の兵士を送り込むのが得策かと思います」
この献策を聞き入れたアユタヤ国王は家臣全員に
アユタヤ王国:
「誰が指揮官になるものないないか!!!」
するとプライガムがアユタヤ王国の前に進み出て
プライガム:
「陛下、その任を私におまかせください」
プライガムがこの大任を引き受けます。
アユタヤ国王:
「プライガムよ、軍の指揮をまかせるにあたり、何か要望はあるか」
との問いに
プライガム:
「陛下、私はまだ未熟者であるうえ、武術と魔術に優れた父のクンペーンの同行を願います」
これを聞いたアユタヤ国王はすぐにクンペーンを監獄から釈放しました。

こうして王宮に呼ばれたクンペーンに
アユタヤ国王:
「チェンマイへの遠征にあたり兵はどれほど必要か」
との問いに
クンペーン:
「なに、これほどの戦いには多くの兵はいりません、牢獄で知り合った35名もあればチェンマイ軍を降伏させてご覧に入れます」
その後、王宮を後にしたクンペーンは墓地に行き、魔術により幽霊の兵隊をつくりあげチェンマイへ進軍を始めました。

ピチットの領主の娘シマラー
プライガムは父から魔術を習いながら進軍の途中で一行はピチットに着きました。
そこでクンペーンは以前に裁きの場にて弁護してくれた恩人ピチットの領主にお礼を申し上げるために屋敷に伺います。
ピチットの領主:
「これはクンペーン殿!!!、無事でなによりであった」
と相好を崩してクンペーンを向かい入れ、美人で器量良しとの評判の娘シマラーを同席させての酒宴となりました。

一方、この酒宴に同席したプライガムもなかなかの美男子、シマラーとプライガムはお互い一目見たときから惹かれあいました。
その夜、ピチットの領主の屋敷に泊まったクンペーンとプライガムですが、シマラーの美しさが脳裏り焼き付いてプライガムは眠れません。
そこでプライガムは父から習った魔術を使いシマラーのもとへ、、、
夜這いします、、、(-_-;)
一方、突然闇夜に現れたプランガムの姿を見たシマラーは思わず「キャッ」と声を、、
侍女:
「お嬢様!!! どうされました」
シマラー:
「な、何でもありません、ヤ、ヤモリが出ただけです」
(タイにはこんなに大きなヤモリはいません、、、)
こうして、プライガムとシマラーは夜を過ごしました。

翌朝、クンペーンは寝不足のプライガムを引き連れピチットの領主へ出陣の挨拶
ピチットの領主:
「わしも共に出陣したいのだが、いかんせんこの老体、代わりに名代を送りたいのだが残念ながら娘一人、クンペーン殿、このような立派な子息がいて羨ましいのう」
クンペーン:
「では未熟者ながらプライガムとお嬢様を婚約させ、領主様の名代として出陣したことではいかがでしょうか」
ピチットの領主:
「ほう、これは名案!!!」
とピチットの領主は手を打って喜び、こうして二人の婚約が決まりました。
こうしてピチットを後にしたクンペーンはシマラーのことを想うと魔術の修行に身が入らないプライガムとその一行を引き連れチェンマイへ進軍するのでした。

戦の行方は
いよいよチェンマイについたクンペーン一行ですが、高い城壁に囲まれたチェンマイの街を陥落させるには何カ月もの包囲が必要です。
とはいえ、そのようなことをすれば人質が危うくなります。
そこでラオス人に変装したクンペーン父子はチェンマイの街に忍び込み、深夜になって監獄を襲い人質を解放するだけでなく軍馬や戦象まで強奪し、
チェンマイ王へ
「我はアユタヤのクンペーンである、臆病者のチェンマイ王よ怖気づいていなければ野戦で堂々を勝負をしろ!!!」
と置手紙でチェンマイ王を挑発します。
これに怒りにかられたチェンマイ王は当初の戦略も忘れ、魔術師が諫めるのもかかわらずクンペーンの挑発にのってしまいます。

こうして戦が始まり、魔術師を見たプライガムは
プライガム:
「我は司令官のプライガムである、魔術師よ、いざ勝負!!!」

しかし、、、
シマラーを想うあまり魔術の修行がおろそかにしていたプライガムは劣勢に、、、(-_-;)
見かねたクンペーンが助太刀をしたことで魔術師は討たれ、チェンマイ軍は総崩れとなりました。
その夜、魔術を使いチェンマイの王宮に現れたクンペーン父子の姿を見たチェンマイ王は敗北を悟り、娘のソイファーと共チャオプラヤ河を下る船にて都アユタヤに連行されました。

凱旋を果たしたクンペーン父子
こうしてチェンマイとの戦に勝利し無事に側室のスロイトーンと人質を取り戻したクンペーン父子とその一行は都アユタヤに凱旋を果たします。
この戦功によりクンペーンはカンチャナブリの領主の地位を得ました。
そしてプライガムには貴族の称号が与えられ、シマラーを第一夫人にチェンマイ王の娘ソイファーを第二夫人となることが決まりました。

一方、降伏したチェンマイ王はアユタヤ王国の属国となることで命は助けられ船にてチェンマイに返されました。
こうして都アユタヤでは盛大なプライガムの結婚式の準備が行われるのでありました。
続く
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