タイのお寺では仏像の後ろに七つの頭を持つ蛇の像をよく見ます。
これは「ナーク」という蛇の神様で仏陀の守護神です。
ここワット ナークプロクではたくさんの「ナーク」が祀られていることで有名なお寺です。
地図
BTSウターカート駅から徒歩8分
拝観時間:朝8時から夕方5時まで
(時間変更があります)
ワットナークプロクの歴史
アユタヤ王朝32代、サンペット9世(1680年ー1758年)は仏教に深い信仰を持つ王であり、上座部仏教が盛んであったスリランカから仏教の教義を持ち込みました。
そしてサンペット9世は1748年にこの地にお寺を建て当時、このお寺はワット ポクとよばれていました。
しかし、アユタヤ王朝滅亡後、お寺の荒廃がひどくワット ポクは廃れたお寺となりました。
お寺の改修と中国文化
19世紀の中頃、この地域に仏教へ深い信仰を持つ中華系タイ人貿易商のチャオスアプクが、このお寺の改修を行いました。
改修にあたって中国の職人にお寺の壁画に中国の縁起の良い神様を描かせました。
そのため、このお寺にはたくさんの中国の神様も祀られています。
そして、お寺のご本尊にスコータイから7頭の蛇を持つ仏像が安置されたことから、このお寺は「ワット ナークプロク」とよばれるようになりました。
これがナークに守られたご本尊です。
ナークとは
伝説では仏陀が悟りを開くために菩提樹の下で瞑想を行っていましたが、7日間途切れることなく冷たい雨と風が吹き続けました。
そんなとき、ムタリンという蛇が池から現れ、7つの頭を広げ仏陀を風雨から飛ばされるのを防ぎました。
ナークに女性の服を奉納しているお寺があります。
これは「ナーキー」と言って女の蛇の神様です。
お寺によっては男のナークの神様がいます。
これは「ナッカラート」といいます。
「ナーク」?「ナーガ」?どちらが正解?
本によってはこの神様を「ナーク」や「ナーガ」とよびますが、結論としてどちらも正解です。
タイ語ではこの神様を「パヤナーク」(พญานาค)といいます、そのため本によっては「ナーク」と書かれていることがあります。
一方、昔、日本でこの神様は水の神様として伝わっており「ナガ」とよんでいました。
そして「ナガ」が今では「ナーガ」となりました。
このお寺の中華系タイ人の改修とあって、お寺のあちこちに中国の神様が祀られています。
これは中国の神様のプラサンカチャイです。
プラサンカチャイは仏陀の弟子80人の内の一人です。
太ったお腹をしていますが、中国ではこの太ったお腹を豊かさの象徴として、無病息災で多くの富を得る縁起のいい神様です。
この笑顔、なんだかこっちまで幸せになりそうです。
本堂の横のお堂があり竜に乗った仏像が祀られています。
中国系貿易商の寄付で作られたお寺ですので、お堂の壁にも中国の神様が描かれています。
このお堂は地下もあり、仏像が安置されています。
手前にあるのは仏教の結界です。
蛇は冷たい場所を好む習性があります。
そのためタイでは家のトイレなどから2,3mの蛇が捕獲されるニュースをよく見ます。
これだけ、たくさん蛇の神様へお祈りしましたので、蛇のご利益から蛇も我が家は避けてくれると思います!!!
Kommentare