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ワット ナークプロク:仏陀の守護神のナークを祀るお寺
更新日:2022年3月15日
タイのお寺では仏像の後ろに七つの頭を持つ蛇の像をよく見ます。
これは「ナーク」という蛇の神様で仏陀の守護神です。

ここワット ナークプロクではたくさんの「ナーク」が祀られていることで有名なお寺です。
ワットナークプロクへの行き方
BTSウターカート駅で下車します。

そして、1番改札を出ます。
駅からお寺まで歩いて10分程ですが、道が入り組んでいてわかりずらいのでバイクタクシーを使いました。
5分くらいでお寺に着きます。料金は15バーツです。

こちらがお寺の入口です。

ワットナークプロクの歴史
アユタヤ王朝32代、サンペット9世(1680年ー1758年)は仏教に深い信仰を持つ王であり、上座部仏教が盛んであったスリランカから仏教の教義を持ち込みました。
そしてサンペット9世は1748年にこの地にお寺を建て当時、このお寺はワット ポクとよばれていました。
しかし、アユタヤ王朝滅亡後、お寺の荒廃がひどくワット ポクは廃れたお寺となりました。

お寺の改修と中国文化
19世紀の中頃、この地域に仏教へ深い信仰を持つ中華系タイ人貿易商のチャオスアプクが、このお寺の改修を行いました。
改修にあたって中国の職人にお寺の壁画に中国の縁起の良い神様を描かせました。
そのため、このお寺にはたくさんの中国の神様も祀られています。
そして、お寺のご本尊にスコータイから7頭の蛇を持つ仏像が安置されたことから、このお寺は「ワット ナークプロク」とよばれるようになりました。
こちらが本堂の入口です。
入口にはナークがあります。

これがご本尊です。

ナークとは
伝説では仏陀が悟りを開くために菩提樹の下で瞑想を行っていましたが、7日間途切れることなく冷たい雨と風が吹き続けました。
そんなとき、ムタリンという蛇が池から現れ、7つの頭を広げ仏陀を風雨から飛ばされるのを防ぎました。

ナークに女性の服を奉納しているお寺があります。
これは「ナーキー」と言って女の蛇の神様です。
お寺によっては男のナークの神様がいます。
これは「ナッカラート」といいます。


「ナーク」?「ナーガ」?どちらが正解?
本によってはこの神様を「ナーク」や「ナーガ」とよびますが、結論としてどちらも正解です。
タイ語ではこの神様を「パヤナーク」(พญานาค)といいます、そのため本によっては「ナーク」と書かれていることがあります。
一方、昔、日本でこの神様は水の神様として伝わっており「ナガ」とよんでいました。
そして「ナガ」が今では「ナーガ」となりました。

このお寺の中華系タイ人の改修とあって、お寺のあちこちに中国の神様が祀られています。
こちらの神様もナークに守られています。

観音様です。
観音様もナークに守られています。

タイに住んでいる多くの中華系タイ人は観音様を信仰しています。
そのため、宗教の習慣により牛肉を食べません。

これも中国の神様のプラサンカチャイです。
プラサンカチャイは仏陀の弟子80人の内の一人です。
太ったお腹をしていますが、中国ではこの太ったお腹を豊かさの象徴として、無病息災で多くの富を得る縁起のいい神様です。
この笑顔、なんだかこっちまで幸せになりそうです。

本堂の周りにもたくさんのナークが祀られています。

本堂の横のお堂があります。
こちらの仏像の台座がナークになっています。

中国系貿易商の寄付で作られたお寺ですので、お堂の壁にも中国の神様が描かれています。

このお堂は地下もあり、仏像が安置されています。
手前にあるのは仏教の結界です。

このお寺では瞑想ができる施設もあります。

蛇は冷たい場所を好む習性があります。
そのため、タイでは家のトイレなどから2,3mの蛇が捕獲されるニュースをよく見ます。
これだけ、たくさん蛇の神様へお祈りしましたので、蛇のご利益から蛇も我が家は避けてくれると思います!!!