somutamu
ワット クン サムット チン:砂に埋もれゆくお寺
サムットプラカーンにあるお寺、ワット クン サムット チンは砂に埋もれゆくお寺として有名です。

地図で見るとタイランド湾の突き出た岬のような場所に建てられたお寺のように見えます。
なんでこんなところにお寺があるのだろうと思い、さっそく行ってみました!
ワット クン サムット チンまでの道のり
バンコクから車で1時間、途中からこのように舗装されていない道を20分ぐらい運転します。
運がよかったのはこの日は前日に雨が降りましたので、砂埃がありませんでした。
この駐車場の横に有料トイレがあります。
この先、トイレがありませんので、ここで済まされたほうがいいです。

ここから先は車で行けません。

歩きたくない場合、有料トイレのところにバイクタクシーがありますのでお寺まで送ってくれます。
料金:10バーツ
また、お寺も送迎を行っています。
ちなみに運転手はお坊さんです!
料金:10バーツ

地図で見ると海のように見えますが、地盤沈下したところに海水が入り込んでいました。

このような道をお寺まで1キロほど歩きます。
オートバイが走っていますので気をつけてください!

以前、この辺りも陸地だったのでしょう。
地盤沈下の影響で沈んだ小屋もあります。

そんな地盤沈下なんて関係ないと橋の上で犬が寝ています。

ミズオオトカゲがいました!

あちこちでマングローブが植えられています。

この道をさらに進むとお寺に到着です。

お寺の入口になります。

こちらが本堂です。
一見するとタイではどこにもあるお寺です。

しかし、よく見ると本堂が地面より下にあります。

ワット クン サムット チンの成り立ち
ワット クン サムット チンは地元の有力者達が土地を提供したことで1967年7月17日に建立されました。
完成当時、お寺の面積は12万1600平方mあり陸地とつながっていました。
しかし、建立後にお寺は海岸浸食の影響で沈下する問題が起き年々、本殿が砂に埋もれていきました。
地元ではマングローブの植林によって海岸浸食による土砂流失を防ぎ、本堂の地盤沈下を食い止めようしましたが、焼け石に水でした。
現在、このお寺の面積はわずか8,000平方mしか残っていません。

ここが本堂の入口です。
地盤沈下のために入口をセメントでかさ上げしています。
そのため茶室のように身をかがめて入らないといけません。

本堂の中にはご本尊が祀られています。
ご本尊の上にある傘が天井に着きそうです。
もし、本堂が砂に埋もれたらご本尊をどうするのでしょうか?

海の中にたくさんの柱があります。
これら柱は本堂の沈下を食い止めるために壁を作り海岸浸食を防ごうとしました。
しかし、自然の力のまえにはどうにもなりませんでした。
つくづく自然の力の驚異を感じました。

海岸には仏像が建てられています。

この日はあいにくの天気でしたが、もし、天気が良ければいい景色でしょう!

ワット クン サムット チンの境内には新しく中国の神社も建てられ、たくさんの神様が祀られています。

優しそうな顔した仏像が祀られています。

得のある顔した仏像です。

タイからミャンマー軍を追い払ったタクシン王が祀られています。
手前にある像はタクシン王の忠実な部下のピラピチャイ ダープハクです。

こちらの船にはたくさんの仏像が乗っていてにぎやかです。

インドの神様が祀られています。

こちらではミャンマー風の仏像が祀られています。

お寺では砂に埋もれゆく本堂の代わりに高台に新しいお堂が建てられています。

新しいお堂は水に強く船の甲板などに使われているチーク材で建てられています。

きれいな景色です。
手前にあるのはコムファイという提灯です。
タイ北部のお寺でよく見られます。

精緻な彫刻が素晴らしいです!

こちらにも新しいお堂が建てられました。

これはタイのお寺の屋根の装飾品です。
タイのお寺の屋根を見るとこのような金色の細長いものがつけられています。

10年後、砂に埋もれゆく本堂はどうなっているのでしょうか?
お寺の前にたくさんのバイクタクシーが待っていますので、帰り道、歩き疲れたら使ってみてはいかがでしょうか。